── そもそも人材派遣とは？
人材派遣とは、企業が派遣会社から提供された労働者（派遣社員）を自らの指揮命令下のもとで使用できる仕組みです。簡単に説明すると『企業が自社との雇用関係がない労働者を使用することができる』ということです。

派遣会社は派遣社員の提供元なので派遣元と呼び、派遣社員の受け入れ先企業のことを派遣先と呼びます。

── 派遣社員と契約社員・アルバイトとの違いは？
派遣社員が契約社員・アルバイトと大きく異なるのは『企業との間に雇用関係が存在しない』という点になります。

通常、企業が労働者を使用する場合、労働者との間に雇用契約書を締結し、両者の間には雇用契約が発生します。これにより、企業は労働者の雇用主となり、給与の支払いや社会保険料の負担などの責務が発生します。

ところが、企業と派遣社員との間には雇用契約は発生しませんのでその責務も発生しません。では、派遣社員の雇用主は誰になるのでしょうか？それは派遣会社になるのです。

── 派遣会社の役割は？
派遣会社は、国の許認可を受けたうえで、自社で雇用する派遣社員を企業に派遣し、その対価（派遣料金）をもらうことを業としています。

派遣会社は派遣先企業との間に「労働者派遣契約」を、派遣社員との間に「雇用契約書」を締結します。「労働者派遣契約」に基づいて派遣先企業に派遣料金の請求などをおこない、「雇用契約書」に基づいて派遣社員に給与の支払いや社会保険料を負担したりします。

つまり、派遣会社は派遣社員の雇用主となるため、勤怠や労働災害、安全衛生や健康管理など労働者の管理も含めた責務が発生するのです。

派遣元（派遣会社）・派遣先・派遣スタッフの関係は下記の（図1）をご参照ください。

── 派遣先企業の責務は？
それでは、派遣先は派遣社員を利用する際に全く責務を負わないのでしょうか？もちろん、そんなことはありません。派遣社員が実際に業務を遂行する際に、その指示を出すのは派遣先になります。

例えば、あるブランドの店舗の販売業務で派遣社員を受け入れたとします。日々、その派遣社員に業務指示を出すのは、店舗の店長になるケースが多いでしょう。

このように、実態として派遣社員に対し業務指示をするのは派遣先になるわけなので、派遣先は業務時間内は派遣社員に対して安全衛生や健康管理など派遣社員の管理の責務が一部発生します。

■ アパレル業界の人材派遣に関するお問合せはスタッフブリッジまで
https://www.staff-b.com/

人材派遣の仕組みの全体像はなんとなく見えてきたのではないでしょうか。では、企業が人材派遣を利用するメリットはどこにあるのでしょうか。ここでは、人材派遣会社を通じて人材を活用することで得られるポイントや、企業にとってのおすすめの理由を、具体例を交えてご紹介します。

── 必要な期間に必要な人数を集めることができる
アパレル業界では、クリスマスや年末年始商戦、バレンタインなどのセール時期に販売員が不足するケースが多くあります。企業としてはその時期だけ働いてくれる販売員を採用する必要がありますが、採用条件や応募者とのやり取り、面接設定などにかかる手間やコストを考えると、実際には難しい部分もあるでしょう。

人材派遣を利用すれば、派遣会社が必要な期間に必要な人数をスピーディに派遣してくれるため、採用活動にかかる負担を軽減できます。派遣スタッフの中には販売経験が豊富な人材や、未経験でも充実した研修を受けて即戦力として働けるようになっている方も多く、業務開始もスムーズです。

また、「時給」「勤務地」「シフト」などの条件を踏まえたうえで、企業の希望に合った人材を柔軟にアサインできるのも魅力。こうした柔軟な対応は、東京や関西といった大都市圏の店舗運営においても非常に有効です。

── 労務管理の負担を減らすことができる
1つ目のセクションでも触れましたが、派遣社員の労務管理は、自社で直接雇用する場合と比べて負担が少ないです。給与計算や社会保険処理、年末調整など、企業にとって煩雑な事務作業は、派遣元企業（人材派遣会社）の側で対応してくれるため、人事部門の業務負荷を大幅に削減できます。

また、2020年に施行された同一労働同一賃金制度により、企業側には待遇面での確認・整備が求められていますが、派遣の場合、その責任は派遣元が担うため、企業は制度対応に追われずに済むケースが多いです。

このように、サポート体制が整った派遣会社を選べば、安心して人材を活用することができます。運営体制や契約内容も明確で、トラブル時には専任の担当者がしっかりフォローしてくれるため、初めて派遣を導入する企業にもおすすめです。

── コスト削減ができる
「派遣料金は高い」というイメージを持っているアパレル企業も多いですが、実際にはそうとは限りません。確かに、派遣社員の給与や社会保険料、福利厚生の一部が派遣料金に含まれていますが、自社で非正規社員を直接雇用する場合に必要な人件費、研修費、資格取得支援、さらに離職後の再採用コストなど、目に見えないコストを含めて考える必要があります。

また、求人広告費や面接、書類対応などにかかる労力やコスト、さらには不採用リスクまで考慮すると、トータルではコストパフォーマンスが高い選択肢ともいえるのです。

企業の事業展開に合わせて、必要なときに必要な人材を確保できるという意味でも、派遣は非常に効率的で合理的な選択肢。特に「まずは短期間だけ」「繁忙期だけ」「即戦力をすぐに」などのニーズに合致する場合、派遣の活用効果はより大きくなります。

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前のセクションでは人材派遣のメリットをお伝えしました。では、実際に人材派遣を利用するにあたって派遣先が注意すべき点はどのようなことがあるのでしょうか。

重要な点をいくつかピックアップしてみました。

── 派遣が活用できない業種がある
すべての業種で派遣社員を受け入れられるわけではありません。建設業務・港湾運送業務・警備業務・病院などでの医療関係業務（一部を除く）は人材派遣をしてはいけないと定められています。

── 派遣社員の受け入れ期間には制限がある
労働者派遣法では、派遣社員を受け入れられる最長期間（派遣期間制限）を3年と定めています。この派遣期間制限を超えて派遣社員を受け入れることはできず、派遣期間制限を超えた日を抵触日（法に抵触する日という意味）といいます。

『長期で派遣社員を受け入れているぐらい慢性的に人手不足なら正社員を雇いなさい！』という国の方針のもと定められた考えです。

抵触日は、派遣社員側からみた『個人単位の抵触日』と、派遣先から見た『事業所単位の抵触日』の2つが存在します。派遣先と派遣元は常に注意してこの抵触日を管理する必要があります。なお、抵触日については別の機会に掘り下げてご紹介します。

── 派遣先にも派遣社員に対する責務が一部発生する
1つめのセクションでもお話をしましたが、派遣先にも派遣社員に対する責務が発生します。労働時間の管理や安全衛生の配慮など、どうしても派遣元が管理をすることが難しいものが該当します。

※詳細は下記の（図2）参照

これらについて、派遣先は労働基準法や労働安全衛生法に基づき管理をおこなっていかなければなりません。また、派遣先は派遣社員の勤務状況などを派遣先管理台帳という様式に沿って記録する必要もあります。

派遣社員として働くなら、自分に合った派遣会社を選ぶことがとても大切です。ここでは、派遣サービスを選ぶ際に押さえておきたいポイントをまとめました。

● 希望の職種・業界に強いかをチェック
派遣会社には、それぞれ得意な職種や業界があります。事務職に強い会社もあれば、アパレル、販売、IT、製造業に特化した会社も。まずは、自分が働きたい職種・業界の求人を多く扱っているかを確認しましょう。

● 福利厚生・サポート体制が充実しているか
社会保険完備や有給休暇、交通費支給、健康診断などの福利厚生が整っているかも重要なポイントです。また、就業前の研修制度や、就業中の相談サポートが受けられるかも確認しましょう。専任のコーディネーターがついてくれる会社は安心感があります。

● 求人数と案件の質を確認
単に求人数が多いだけでなく、自分の希望条件に合う求人が揃っているかも重要です。勤務地・勤務時間・時給・職種など、自分の希望条件に合致する案件がどのくらいあるのか、事前にチェックしておきましょう。

● 派遣先企業の実績・紹介実績を見る
大手企業や有名企業、安定した派遣先が多い派遣会社は、信頼性も高く安心です。実績が豊富かどうか、取引企業の一覧などをチェックしてみると良いでしょう。

● 利用者の口コミ・評判も要チェック
実際にその派遣会社を利用した人の口コミや評判も、ぜひ参考にしましょう。担当者の対応や就業後のフォロー体制など、実際に働いてみないとわからない情報を事前に知ることができます。

働き方にはさまざまなスタイルがありますが、中でも「派遣社員」「契約社員」「アルバイト・パート」はよく耳にする雇用形態です。それぞれの違いをしっかり理解して、自分に合った働き方を選びましょう。

雇用主と雇用形態の違い
大きな違いは雇用主が誰なのかという点です。
派遣社員は、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先の企業で働くスタイル。一方、契約社員やアルバイト・パートは、働く企業と直接雇用契約を結びます。

例えば、同じ職場で働いていても、派遣社員なら給与の支払いや福利厚生は派遣会社から受けることになります。一方、契約社員やアルバイト・パートは勤務先企業から直接給与が支払われます。

仕事内容と働き方の特徴
派遣社員は、契約期間や仕事内容があらかじめ決まっており、派遣先の指示に従って働くスタイルです。福利厚生は派遣会社の制度が適用されます。

契約社員は、正社員に近い待遇で働ける場合もあり、雇用期間を定めた契約を企業と直接結ぶ形です。契約更新のタイミングで、契約終了・延長・正社員登用などの可能性があります。

アルバイト・パートは、短時間勤務や扶養内での勤務など、働き方の自由度が高いのが特徴。時給制で、条件によって社会保険加入も可能です。

今回は人材派遣のしくみとメリット、利用時の注意点について詳しく解説させていただきました。

人材派遣は、先行き不透明なこのご時世において、大きなリスクなく必要な人材をスピーディーに確保できる柔軟な仕組みです。特にアパレル業界や飲食、カフェ、雑貨販売などさまざまな業種で「繁忙期のみの販売スタッフ」や「短期イベントの運営スタッフ」など条件に合わせた人材をすぐに確保したいというニーズが増えています。

もちろん、利用するにあたっての注意点もありますが、直接雇用の社員を管理する場合に発生する給与計算・社会保険・年末調整・福利厚生の手続きやトラブル対応などと比べると、ごく軽微であり、人事担当者の負担も軽減されます。さらに、求人広告を出したり、面接を重ねたりする採用の手間とコストも抑えられるため、経営の安定にも寄与します。

弊社スタッフブリッジは、アパレル業界に特化した人材派遣サービスをご提供しており、公式サイトでも求人情報を随時更新中です。国内外の有名アパレルブランドをはじめ、コスメ・スポーツ・雑貨・アクセサリー・シューズブランドなど5,000以上のファッションブランド様とのお取引実績があります。

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「短期」「長期」「未経験OK」など、こだわり条件でのご紹介も可能ですので、少しでもご興味を持たれた方は、ぜひ一度スタッフブリッジまでお気軽にご相談ください。求人情報ページもぜひチェックしてみてくださいね。