自由な発想で、シップスに新しい風を吹かせてほしい

SHIPS / 人事部 課長 浮船 亜季子
ブランド情報
2017.09.04
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1975年に設立以来、海外から輸入した様々な衣料品に加え、独自性のあるオリジナル商品を販売してきた「SHIPS(シップス)」。老舗のセレクトショップとして、幅広い世代から支持を集めています。

今回はシップスの人事部 浮船さんに会社のことや販売の仕事についてお伺いしました。

ファッション業界で働く人をサポートしたい

── 浮船さんの入社した経緯についてお聞かせください。
2003年に中途採用で人事部に入社し、今年で15年目になります。私の場合、最初から人事の仕事に携わっているので稀なケースですが、当社では入社後、基本的に店舗勤務からスタートして頂きます。まずは現場でたくさんのことを経験し、店長やバイヤー職、プレスやEコマースなど色々な将来のビジョンを見つけていって頂きたいと思っています。

── シップスを選んだきっかけはなんですか?
シップスのことは元々知っていましたが、当時の私には少し大人なイメージで。商品も気軽に手が届くようなものではなかったので憧れのお店という感じだったのですが、以前から、アパレル業界に興味はあり、働くスタッフや店舗をサポートできる仕事に就きたいと思っていました。たまたま、シップスの本社職の求人を見つけ、応募したことがきっかけです。

── 人事を希望されていたんですか?
特に希望は出していなかったのですが、配属先が人事になり、初めは右も左もわからない状態でした。入社した当時はちょうど会社も成長段階の時で、新規出店や新規ブランドを立ち上げるにあたって採用を強化していた時でした。主に求人媒体の選定や原稿作成、面接などが一番最初の仕事でしたね。その他、労務・給与・人事制度・教育研修など人にまつわる全てのことに携わらせて頂き、今は採用・研修をメインした業務やマネジメントを行っています。

── 15年間、人事をされているとのことですが、今までどのくらい面接をされたんですか?
新規出店における販売職採用や本社職採用、その他新卒採用なども含めると約5000名以上の方とはお会いさせて頂いたかもしれませんね。入社当時と比べると、店舗数は約1.5倍、従業員は約2倍に増えていますし、この15年間で社会情勢や法改正、求人における採用方法など、人を取り巻く環境は大きく変わりました。人事に携わるとして者として常にアンテナを張って業務に取り組んでいる毎日です。

地域に根付いた特別感のあるお店

── 企業理念を教えてください。
『共感と感動を送り続ける企業』を企業理念に掲げています。少し難しく聞こえるかもしれませんが、簡単にいうと全国各地域にあるそれぞれの店舗で、洋服を通して「この商品格好いいですよね!」「このコーディネート素敵ですよね!」とお客様と共感しあったり、「シップスで買って良かった!」とお客様に感動を与えられるような店舗や販売員であり続けたい、という意味が込められています。

── 今後の会社の目標はなんですか?
今のところ、“○年後に売上を今の倍にします”や”海外出店など店舗拡大をどんどんします”など、急激な事業拡大を目標にしているわけではありません。その分、他社と比べると、売上高、店舗数、従業員数は小規模にはなりますが、今のペースだからこそ出来ることを大切にしています。

沿革の話になりますが、シップスは上野のアメ横でわずか1坪半の個人商店から始まった会社なんです。戦後に軍の放出品を販売する商店からスタートし、そこから、made in USAの商品を輸入して販売する仕入れ型の店舗へと姿を変えていきました。”モノを販売する”というところからスタートしているので、全国にその店舗がたくさんあり、その店舗の集合体が「株式会社 シップス」という会社になっているイメージです。
創業当時から続いている”モノを販売する”という小売のスタイルを崩さずに、地域に密着しながらも「SHIPS」の認知度をもっと高め、より多くの方に魅力をお伝えしていきたいと考えています。

── 浮船さんが思う、会社の魅力はなんでしょうか?
”ビックカンパニーよりもスモールカンパニーでいたい”という社風があります。”スモール”の意味は小さいではなく、「近い距離で人と繋がれる」という意味です。
社風の通り、人と人との距離が近い会社だと感じています。現在、全国の各店舗で働く正社員は約700名程度おりますが、採用担当はスタッフ一人一人の顔と名前がきちんと把握できていますし、お互いに気軽に声を掛けられる距離感だと感じています。職種や役職、店舗間やブランドで垣根があるわけではなく、コミュニケーションが取れる距離を保てているのは今の規模だからこその魅力です。

現場でキャリアを積んでいける環境

── 店舗の雰囲気を教えてください。
店舗で働くスタッフも様々ですので、各店舗のカラーもそれぞれ個性があります。
よく店舗は”家”みたいだと例えたりするのですが、チームをまとめる店長が大黒柱として存在していて、それぞれのカテゴリにおける副店長がお兄さんやお姉さん…というように、新しいスタッフが入ってきたらスタッフ全員が家族のような関係で見守って育てていく、という雰囲気です。それはお客様にとっても同じで、店舗全体でお客様をお迎えしよう!という姿勢で毎日過ごしています。
“顧客様”というとスタッフ個々が対応するようなイメージを持ちますが、シップスではお客様をスタッフ全員で共有するように心がけています。例えば担当スタッフが休みであっても他のスタッフが気軽に「○○様こんにちは!」と声を掛け、お客様に安心してお買い物を楽しんで頂ける店舗づくりを行っています。

── シップス独自のイベントなどはなにかありますか?
全社の取り組みとして”S-1グランプリ”という接客ロールプレイング大会を年に1回開催しています。各店舗~各エリアから選抜された販売員がトーナメント制で競い合い、決勝大会では全店長、本社スタッフの前で接客を披露します。優勝したスタッフは翌年海外研修に参加してもらい、そこで見たもの、感じたことから更なる接客力の向上へ繋げていってもらっています。
その他にはスタッフが日頃「こんな事をビジネスにしたら面白そう!」「こんな商品を売ってみたい!」と考えているビジネスアイデアを募集する“シップスビジネスコンテスト”も実施しています。雇用形態やキャリアは関係なく、意見を出して将来へ向けての新しいビジネスを発掘しています。

── キャリアパスについて教えてください。
よく販売職はMDやバイヤー、プレスなど他の職種に移るためのステップと考えられていますが、当社の販売職はそういった位置づけではありません。私達は創業時から小売をいうスタイルを取ってきている会社です。本社職はあくまでも店舗や店舗で働くスタッフを支える仕事であり、お客様と直接つながっている販売員が最も重要なポジション、会社として最大の財産だと思っています。ですので、接客・販売を一生の仕事にしたい!と思っている方に入社して頂きたいですね。

シップスの販売職は、店頭で接客・販売することだけが仕事ではありません。人材育成や研修などを行う「CS担当」、商品企画提案やリサーチを行う「商品担当」、販売促進業務を行う「プレス担当」など、現場にいながらも様々な仕事に携わることができ、本社に異動しなくとも店舗でキャリアを積んでいける環境があります。もちろん、それぞれの能力を発揮し、バイヤーやプレスといった本社職にキャリアチェンジすることもありますが、それは結果そうなるのであって最初から販売職を通過点と考えている方は、当社の環境にはマッチングしないと思います。自分は何が得意でシップスでどんなことをやっていきたいのか、どんなキャリアを積んでいきたいのか、は店舗でたくさんのことを経験する中から見つけていってほしいと思っています。

自然な笑顔や立ち振る舞いに魅力を感じる

── 求める人物像について教えてください。
歴史がある会社なので、言い方を変えると今までのやり方や新しいことに順応していく必要性を感じています。ですので固定概念に捉われず、その部分を逆に打ち砕いていくようなチャレンジする姿勢や考えを持っている方にぜひ来て頂きたいです。
あくまでもシップスが考えていることは“お客様のために”ですので、そこまでのプロセスはそれぞれの個性ややり方があっていいと思うんです。それを臆せず発信してくれる方や、自分の頭で考えて意見を出してくれる方が良いですね。

── では、採用のポイントについて聞かせてください。
私個人的には、ぱっと見た瞬間やお話した時に”この人に接客されたいかどうか”をポイントにしています。自然な表情や笑顔だったり、その方の立ち居振る舞いなどで“店舗に立ったらどんな接客をしてくれるのか”“どんな販売員になるのか”をイメージできる方が良いですね。
よく面接時の服装を迷われる方が多いと思いますが、“あなたらしい自由なスタイリングで来て下さい”と伝えています。それはファッションセンスを見たいという訳ではなく、一番好きなスタイリング、お気に入りのファッションを身に付けることで、緊張せずに普段の自分や自然な表情を出してもらいたいと考えているんです。

── 研修制度はどのようなものがありますか?
現場でのOJTがほとんどですが、まずはシップスの販売員とは?という心得や、挨拶・笑顔を改めて意識する研修を最初に行います。シップスが考える販売員はモノを通じてお客様との繋がりをつくっていくことです。商品知識はもちろん大切ですが、その前にまずは目の前にいるお客様に興味を持つこと。お客様に興味を持つと、自然と会話が生まれ、そこからお客様とのつながりが生まれていきます。純粋にお客様との会話を楽しんでほしいですね。

── 最後に、求職者の方にメッセージをお願いします。
洋服の販売員というのは商品知識や何か特別なスキルを持っていないとできないんじゃないか、と思う方もいると思いますが、採用する方の9割は未経験の方です。単純に洋服が好き、人と関わること、お話しすることが好きな方はそれだけで販売職には向いていると思います。
また、イメージが先走ってしまう業界や職種なので労働時間や休日など働く環境に不安視する声もよく聞きますが、シップスはそういったワークライフバランスにも注力し、働き方の見直しやスタッフ一人一人が長く安心して働ける会社としての環境づくりにも力を入れています。ぜひ、経験がないので躊躇していた方や一度業界から離れてしまった方でも安心して飛び込んで頂きたいと思います。

インタビューを終えて

本社勤務がキャリアアップというイメージが強い業界ですが、浮船さんのおっしゃる通り、現場で何年も経験を積んでいることも素晴らしいキャリアだと感じました。お客様の最も近い距離にいる販売スタッフという仕事の重要性を改めて感じるインタビューでした。様々な業務を経験する中で、本当に進みたいキャリアを決めることができる環境も魅力的です。そして、スタッフ想いで、フランクに話ができる人事の方がいる環境にも、魅力を感じました。