福助 姜昌賢さんに聞く『経験の先に見つけた居場所』
インタビュー
2025.12.12
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1882年の創業以来、福助株式会社は“足もとから、日々を支える”という信念のもと、時代とともに変化する暮らしに寄り添い続けてきました。足袋に始まり、ストッキングや靴下といった日常の定番アイテムを通じて、日本人の美意識と快適さを両立させる——その姿勢は140年以上経った今も変わりません。長い歴史の中で培われた確かな品質とものづくりへの誇りは、世代を超えて愛されるブランドとしての信頼を築いています。
そんな福助の現場で、お客様とブランドをつなぎ続けているのが、今年で入社18年目を迎えられた 姜昌賢(きょう)さん。アパレル販売から飲食業、そして再びファッションの世界へ。多彩な経験を経て福助に辿り着いた彼は、穏やかな語り口の中に確かな信念と情熱を持つ人物です。
福助で積み重ねてきた18年の歩み、そして“人と仕事”に向き合う姿勢の原点について、じっくりとお話を伺いました。
そんな福助の現場で、お客様とブランドをつなぎ続けているのが、今年で入社18年目を迎えられた 姜昌賢(きょう)さん。アパレル販売から飲食業、そして再びファッションの世界へ。多彩な経験を経て福助に辿り着いた彼は、穏やかな語り口の中に確かな信念と情熱を持つ人物です。
福助で積み重ねてきた18年の歩み、そして“人と仕事”に向き合う姿勢の原点について、じっくりとお話を伺いました。
遠回りして得たもの
●学生時代はマスコミ志望
大学時代、音楽が大好きだった私は、いつか音楽やメディアに関わる仕事に就けたらいいなと思っていました。華やかな世界に憧れていたので、就職活動はテレビ局や広告代理店、レコード会社などを片っ端から受けたんです。でも、どこにも縁がなくて。今思うと、当時は将来を深く考えていたわけではなく、勢いにまかせて気持ちの向くままに動いていた気がします。
ある日、カフェで仲の良い友人とお茶をしていたら、「このあとバーニーズジャパンの説明会に行くんだ!」って話になったんです。そこで、暇を持て余していた私は「じゃあ…一緒に行ってもいい?」と友人について説明会に行ったんですよ(笑)。エントリーもせずに、軽い気持ちで参加しました。
でも、結果的にこの偶然の出会いが人生を大きく変えるきっかけとなったんですよね。バーニーズジャパン社員の方の話しやブランドの世界観、仕事の楽しさを肌で感じるうち、次第にアパレルの世界に惹かれている自分に気づきました。今思えば、本当に不思議な縁であり、大きな転機でした。
●家業を継ごうと決めた日
30歳を迎える頃、ふと「いずれは家業を継ぐのもいいかもしれないな」って思ったんです。私の実家は焼肉屋を営んでいて、子どもの頃から賑やかな空気がすぐそばにありました。そんな環境が当たり前だったこともあり、どこかで“いつかは”という気持ちがあったのかもしれません。
とはいえ、飲食の経験はゼロ。料理もできない。それでも「やるなら今だ!」と思い立って、親にも会社にも何も告げずに勤めていた会社を辞めてしまいました。
家に帰って「今日、仕事を辞めてきた」と伝えたとき、妻は驚きながらも「やってみたら?」と背中を押してくれました。振り返ると、あの時の彼女の一言があったからこそ挑戦できたんだと思います。
まずは経験を積もうとアパレルの世界を離れ、実家ではなく個人経営の焼肉店で働き始めました。決して計画的な選択ではありませんでしたが、「挑戦してみたい」という気持ちだけが、当時の自分を前へと動かしていたんだと思います。
●遠回りの先に見つけた、私の居場所
アパレルから飲食へ転職したときのことですが、「焼肉店で働く」と両親に伝えた瞬間、ものすごく反対されました。「家族もいるのに、何をしているんだ!」と怒られ、妻にも心配ばかりかけてしまって。それでも、「一度やると決めたからにはやり遂げたい」という思いが強く、がむしゃらに前へ進みました。
毎日、昼から翌朝までの夜間の営業。体は正直かなりキツかったけれど、お客様の「美味しかったよ」という一言が本当に嬉しくて、気づけば夢中で働いていました。ただ、現実は厳しくて……家族との時間はどんどん減り、体力も限界に近づいていったんです。ある夜、過労で倒れて救急車で運ばれたとき、「このままではいけない」と心の底から思いました。仕事は順調でも、心と体はすり減っていたんですよね。
その出来事をきっかけに飲食から離れることを決め、私は再び販売の世界へ戻りました。眼鏡店や鞄店で経験を積み、2008年に福助へ入社。今でも変わらないのは、業界が変わっても“人と向き合う仕事”をし続けている、ということです。
振り返れば、あの一年は人から見たら遠回りに見えるかもしれません。でも、あの経験があったからこそ、今の自分がいます。どんな仕事にも意味があって、無駄な時間なんて一つもない。たとえ計画通りに進まなくても、「自分の信じた道を歩く」という気持ちだけは、これからも大切にしていきたいと思っています。
大学時代、音楽が大好きだった私は、いつか音楽やメディアに関わる仕事に就けたらいいなと思っていました。華やかな世界に憧れていたので、就職活動はテレビ局や広告代理店、レコード会社などを片っ端から受けたんです。でも、どこにも縁がなくて。今思うと、当時は将来を深く考えていたわけではなく、勢いにまかせて気持ちの向くままに動いていた気がします。
ある日、カフェで仲の良い友人とお茶をしていたら、「このあとバーニーズジャパンの説明会に行くんだ!」って話になったんです。そこで、暇を持て余していた私は「じゃあ…一緒に行ってもいい?」と友人について説明会に行ったんですよ(笑)。エントリーもせずに、軽い気持ちで参加しました。
でも、結果的にこの偶然の出会いが人生を大きく変えるきっかけとなったんですよね。バーニーズジャパン社員の方の話しやブランドの世界観、仕事の楽しさを肌で感じるうち、次第にアパレルの世界に惹かれている自分に気づきました。今思えば、本当に不思議な縁であり、大きな転機でした。
●家業を継ごうと決めた日
30歳を迎える頃、ふと「いずれは家業を継ぐのもいいかもしれないな」って思ったんです。私の実家は焼肉屋を営んでいて、子どもの頃から賑やかな空気がすぐそばにありました。そんな環境が当たり前だったこともあり、どこかで“いつかは”という気持ちがあったのかもしれません。
とはいえ、飲食の経験はゼロ。料理もできない。それでも「やるなら今だ!」と思い立って、親にも会社にも何も告げずに勤めていた会社を辞めてしまいました。
家に帰って「今日、仕事を辞めてきた」と伝えたとき、妻は驚きながらも「やってみたら?」と背中を押してくれました。振り返ると、あの時の彼女の一言があったからこそ挑戦できたんだと思います。
まずは経験を積もうとアパレルの世界を離れ、実家ではなく個人経営の焼肉店で働き始めました。決して計画的な選択ではありませんでしたが、「挑戦してみたい」という気持ちだけが、当時の自分を前へと動かしていたんだと思います。
●遠回りの先に見つけた、私の居場所
アパレルから飲食へ転職したときのことですが、「焼肉店で働く」と両親に伝えた瞬間、ものすごく反対されました。「家族もいるのに、何をしているんだ!」と怒られ、妻にも心配ばかりかけてしまって。それでも、「一度やると決めたからにはやり遂げたい」という思いが強く、がむしゃらに前へ進みました。
毎日、昼から翌朝までの夜間の営業。体は正直かなりキツかったけれど、お客様の「美味しかったよ」という一言が本当に嬉しくて、気づけば夢中で働いていました。ただ、現実は厳しくて……家族との時間はどんどん減り、体力も限界に近づいていったんです。ある夜、過労で倒れて救急車で運ばれたとき、「このままではいけない」と心の底から思いました。仕事は順調でも、心と体はすり減っていたんですよね。
その出来事をきっかけに飲食から離れることを決め、私は再び販売の世界へ戻りました。眼鏡店や鞄店で経験を積み、2008年に福助へ入社。今でも変わらないのは、業界が変わっても“人と向き合う仕事”をし続けている、ということです。
振り返れば、あの一年は人から見たら遠回りに見えるかもしれません。でも、あの経験があったからこそ、今の自分がいます。どんな仕事にも意味があって、無駄な時間なんて一つもない。たとえ計画通りに進まなくても、「自分の信じた道を歩く」という気持ちだけは、これからも大切にしていきたいと思っています。

接客という仕事
●人がつくる、場の温度
選ばれるお店に共通するのって、「居心地のいいお店」だって事だと思っています。
居心地の良さというのは、特別なサービスや豪華なおもてなしがあるかどうかだけで決まるものではないんです。たとえば、バーニーズやエストネーションのような洗練されたお店には確かに上質なホスピタリティがありますが、同じように、街角のラーメン屋さんにも、コンビニにも、ドラッグストアにだって「居心地のいい場所」は存在します。
そして、居心地の差を生んでいるのは何かというと、「スタッフ」なんですよね。最新の設備やおしゃれな内装よりも、そこにいる人の空気感や温度が、店全体の居心地を決めている。スタッフが一生懸命お仕事をしているか、丁寧に声をかけてくれるか、気持ちよく動いているか――その積み重ねが、お客様が感じる“場の心地よさ”を作っていくんです。
特別な何かをしなくてもいい。
ただ、その場所にいる人たちがまっすぐに向き合っているかどうかで、お店の空気は驚くほど変わりますから。
●判断は一瞬
買い物に行って「すみません」とスタッフに声をかけたとき、その最初の一瞬の反応や表情って、本当に大事ですよね。どんなに素敵なお店でも、その一瞬が雑だったり、無表情だったりすると、「あ…、ここは居心地よくないかもしれない」と感じてしまいます。逆に、ふっと顔を上げて気持ちよく応えてくれるだけで、安心感がスッと生まれていく。居心地の良さって、こういう“ほんの一瞬”に大きく左右されるものだと思います。
例えば、忙しい日のレジなんかで行列ができてしまって、お客様をお待たせしてしまう場面ってどうしてもありますよね。でも、そんなときにお待ちいただいた感謝や、時にはお待たせしてしまって申し訳ない気持ちを先に届けるだけで、お客様の受け取り方って全然違う。澄ました顔で黙々とレジを打つより、ずっと気持ちが通じます。どれだけ丁寧な言葉を並べても、気持ちが乗っていなければ機械的な「お待たせしました」にしかならないですし、そこに心は絶対に動きません。
接客って、特別なスキルより「一瞬に心を込められるか」が大きい仕事なんだと思います。その一瞬の判断が、お店の空気をつくり、また来たいと思える場所かどうかを決めているんですよね。
選ばれるお店に共通するのって、「居心地のいいお店」だって事だと思っています。
居心地の良さというのは、特別なサービスや豪華なおもてなしがあるかどうかだけで決まるものではないんです。たとえば、バーニーズやエストネーションのような洗練されたお店には確かに上質なホスピタリティがありますが、同じように、街角のラーメン屋さんにも、コンビニにも、ドラッグストアにだって「居心地のいい場所」は存在します。
そして、居心地の差を生んでいるのは何かというと、「スタッフ」なんですよね。最新の設備やおしゃれな内装よりも、そこにいる人の空気感や温度が、店全体の居心地を決めている。スタッフが一生懸命お仕事をしているか、丁寧に声をかけてくれるか、気持ちよく動いているか――その積み重ねが、お客様が感じる“場の心地よさ”を作っていくんです。
特別な何かをしなくてもいい。
ただ、その場所にいる人たちがまっすぐに向き合っているかどうかで、お店の空気は驚くほど変わりますから。
●判断は一瞬
買い物に行って「すみません」とスタッフに声をかけたとき、その最初の一瞬の反応や表情って、本当に大事ですよね。どんなに素敵なお店でも、その一瞬が雑だったり、無表情だったりすると、「あ…、ここは居心地よくないかもしれない」と感じてしまいます。逆に、ふっと顔を上げて気持ちよく応えてくれるだけで、安心感がスッと生まれていく。居心地の良さって、こういう“ほんの一瞬”に大きく左右されるものだと思います。
例えば、忙しい日のレジなんかで行列ができてしまって、お客様をお待たせしてしまう場面ってどうしてもありますよね。でも、そんなときにお待ちいただいた感謝や、時にはお待たせしてしまって申し訳ない気持ちを先に届けるだけで、お客様の受け取り方って全然違う。澄ました顔で黙々とレジを打つより、ずっと気持ちが通じます。どれだけ丁寧な言葉を並べても、気持ちが乗っていなければ機械的な「お待たせしました」にしかならないですし、そこに心は絶対に動きません。
接客って、特別なスキルより「一瞬に心を込められるか」が大きい仕事なんだと思います。その一瞬の判断が、お店の空気をつくり、また来たいと思える場所かどうかを決めているんですよね。
現場で育つ力
●必要なスキル
必要なスキルと言われると、テクニックや知識を思い浮かべる人も多いかもしれません。でも私が大事だと思っているのは、「正直である」ということなんです。良いことも、失敗も、飾らずにそのまま伝えられること。ごまかしてしまうと、結局うまくいかないことのほうが多いですからね。
特に店舗では、お客様からの指摘や、トラブル、ミスってどうしても起きてしまう。言いにくい場面だからこそ、正直に伝えてくれた方が周りはすぐにカバーできるんです。でも、ちょっと取り繕って報告されると、状況を誤解したり、根本の解決にたどりつけなかったりします。結果として、本人もさらに困ってしまうことが多いんですよ。
だからこそ、言いづらいことでも「正直に言う」っていう行動そのものが、実は立派なスキルなんです。誠実に、素直に向き合った経験は、きちんと確実に自分の力になっていく。対処法が身についたり、次に同じ場面が来た時に落ち着いて行動できるようになったり。そういう積み重ねが、その人の“仕事の強さ”になっていくんだと思っています。
●人と関わることを楽しめるか
接客って、人間の根源的な部分に触れる仕事なんですよね。「人と関わるのが楽しい」と思える人、これはもう間違いなくこの仕事に向いています。この業界の醍醐味は、人と関わる経験をたくさん積めること。だから入ってきたスタッフには、まずそこを楽しんでほしいんです。
ただ、「私、接客苦手です」ってハッキリ言う子もいるんですよ。でも、それは全然悪いことじゃないと思っていて。たぶん彼らが想像している“接客”って、難しく考えすぎてるんです。実際に売り場を見ていると、そういう子ほどスタッフ同士では楽しく話したり、裏の片付けがすごく得意だったりする。裏方だって人と関わっているし、そこに楽しさを見いだせるなら、十分この仕事に向いていると思っています。
店舗って、1人で運営するわけじゃないし、業務も本当にたくさんあるんですよね。接客が得意な人もいれば、展開や装飾、数字に強い人もいる。全部できる“パーフェクトな人”なんて、そうそういないです。それぞれの役割があっていいし、その子の得意が活きる場所を見つけてあげるのが店長やリーダーの大事な仕事だと思っています。
だから、接客が苦手でも「やりません」ではなくて、まずは少し関わってみる。その中で自分の役割や得意が見つかれば、そこから楽しさが広がっていく。私はそんな風に思っています。
必要なスキルと言われると、テクニックや知識を思い浮かべる人も多いかもしれません。でも私が大事だと思っているのは、「正直である」ということなんです。良いことも、失敗も、飾らずにそのまま伝えられること。ごまかしてしまうと、結局うまくいかないことのほうが多いですからね。
特に店舗では、お客様からの指摘や、トラブル、ミスってどうしても起きてしまう。言いにくい場面だからこそ、正直に伝えてくれた方が周りはすぐにカバーできるんです。でも、ちょっと取り繕って報告されると、状況を誤解したり、根本の解決にたどりつけなかったりします。結果として、本人もさらに困ってしまうことが多いんですよ。
だからこそ、言いづらいことでも「正直に言う」っていう行動そのものが、実は立派なスキルなんです。誠実に、素直に向き合った経験は、きちんと確実に自分の力になっていく。対処法が身についたり、次に同じ場面が来た時に落ち着いて行動できるようになったり。そういう積み重ねが、その人の“仕事の強さ”になっていくんだと思っています。
●人と関わることを楽しめるか
接客って、人間の根源的な部分に触れる仕事なんですよね。「人と関わるのが楽しい」と思える人、これはもう間違いなくこの仕事に向いています。この業界の醍醐味は、人と関わる経験をたくさん積めること。だから入ってきたスタッフには、まずそこを楽しんでほしいんです。
ただ、「私、接客苦手です」ってハッキリ言う子もいるんですよ。でも、それは全然悪いことじゃないと思っていて。たぶん彼らが想像している“接客”って、難しく考えすぎてるんです。実際に売り場を見ていると、そういう子ほどスタッフ同士では楽しく話したり、裏の片付けがすごく得意だったりする。裏方だって人と関わっているし、そこに楽しさを見いだせるなら、十分この仕事に向いていると思っています。
店舗って、1人で運営するわけじゃないし、業務も本当にたくさんあるんですよね。接客が得意な人もいれば、展開や装飾、数字に強い人もいる。全部できる“パーフェクトな人”なんて、そうそういないです。それぞれの役割があっていいし、その子の得意が活きる場所を見つけてあげるのが店長やリーダーの大事な仕事だと思っています。
だから、接客が苦手でも「やりません」ではなくて、まずは少し関わってみる。その中で自分の役割や得意が見つかれば、そこから楽しさが広がっていく。私はそんな風に思っています。

ONとOFFのつけ方
●オンとオフの境界線
アパレルの現場では、土日や祝日もお店が開いていることが多く、本社の休みとリズムが異なります。
だからこそ、オンとオフの“スイッチ”を持っておかないと、気づけばずっと仕事モードなんて事になりがちに。昔はこのスイッチを切り忘れることが多く、オンのまま走り続けてしまってきましたが、今は自然と切り替えられるようになってきました。
切り替えれるようになった方法はとてもシンプルで、「休みの日は極力パソコンを開かない!」。
たったこれだけ。でも、この小さな区切りが心の切り替えには欠かせないんですよね。
私はもともと静かな時間が好きで、何もないときはほとんど喋らないタイプなんですよ。仕事の時はよく喋るので、周りの人から驚かれることも多いですが…(笑)。音楽を聴いたり、本を読んだり。予定を詰め込みすぎず、気ままに過ごす時間が頭の中をリセットしてくれます。誰にも合わせず、自分のペースでいられる空間が時には必要なんです。
オンの現場で人と向き合うからこそ、オフでは自分だけの世界を大切にする。このバランスこそが、長く仕事を続けるための一番のエネルギー源だと感じています。
●最強の理解者
子どもたちも成長して、今ではみんな元気にバイト三昧の毎日。今は、週末に“やること”がぐっと減り、気づけば妻とふたりで過ごす時間が自然と増えてきました。
昔は子どもたちの部活や学校行事で、休日も予定がぎっしりでしたから。家族全員が慌ただしく動き回っていた頃が懐かしいですね。
妻とは、昔の職場で出会った同期。お互い販売員として働いていた頃からの仲で、現場の厳しさや楽しさも一緒に経験してきました。今はお互い別の職場ですが、同じ接客業ということもあって、仕事に対する価値観がとっても近いんです。私が疲れている時や気分が沈んでいる時は、言葉にしなくたってすぐに察してくれますから。まさに、最強の理解者。
週末は、ふたりでランチに出かけたり、昼から居心地の良いお店でお酒を飲んだり。何か特別なことをするわけじゃないけれど、他愛もない話をしながらゆっくり過ごす時間が、今の自分にとっては何より贅沢なリフレッシュです。
家のことも彼女に支えてもらってばかりで…、ほんと、頭が上がりません(笑)!妻が作るご飯はいつも僕の好みにぴったり合わせた味付けで、どの料理も本当に美味しいんですから。当たり前のようにご飯の並ぶ食卓や、何でもないような会話。派手さはないけれど、そんな日常こそが自分を穏やかに満たしてくれる大切なエネルギーなんだと感じています。
アパレルの現場では、土日や祝日もお店が開いていることが多く、本社の休みとリズムが異なります。
だからこそ、オンとオフの“スイッチ”を持っておかないと、気づけばずっと仕事モードなんて事になりがちに。昔はこのスイッチを切り忘れることが多く、オンのまま走り続けてしまってきましたが、今は自然と切り替えられるようになってきました。
切り替えれるようになった方法はとてもシンプルで、「休みの日は極力パソコンを開かない!」。
たったこれだけ。でも、この小さな区切りが心の切り替えには欠かせないんですよね。
私はもともと静かな時間が好きで、何もないときはほとんど喋らないタイプなんですよ。仕事の時はよく喋るので、周りの人から驚かれることも多いですが…(笑)。音楽を聴いたり、本を読んだり。予定を詰め込みすぎず、気ままに過ごす時間が頭の中をリセットしてくれます。誰にも合わせず、自分のペースでいられる空間が時には必要なんです。
オンの現場で人と向き合うからこそ、オフでは自分だけの世界を大切にする。このバランスこそが、長く仕事を続けるための一番のエネルギー源だと感じています。
●最強の理解者
子どもたちも成長して、今ではみんな元気にバイト三昧の毎日。今は、週末に“やること”がぐっと減り、気づけば妻とふたりで過ごす時間が自然と増えてきました。
昔は子どもたちの部活や学校行事で、休日も予定がぎっしりでしたから。家族全員が慌ただしく動き回っていた頃が懐かしいですね。
妻とは、昔の職場で出会った同期。お互い販売員として働いていた頃からの仲で、現場の厳しさや楽しさも一緒に経験してきました。今はお互い別の職場ですが、同じ接客業ということもあって、仕事に対する価値観がとっても近いんです。私が疲れている時や気分が沈んでいる時は、言葉にしなくたってすぐに察してくれますから。まさに、最強の理解者。
週末は、ふたりでランチに出かけたり、昼から居心地の良いお店でお酒を飲んだり。何か特別なことをするわけじゃないけれど、他愛もない話をしながらゆっくり過ごす時間が、今の自分にとっては何より贅沢なリフレッシュです。
家のことも彼女に支えてもらってばかりで…、ほんと、頭が上がりません(笑)!妻が作るご飯はいつも僕の好みにぴったり合わせた味付けで、どの料理も本当に美味しいんですから。当たり前のようにご飯の並ぶ食卓や、何でもないような会話。派手さはないけれど、そんな日常こそが自分を穏やかに満たしてくれる大切なエネルギーなんだと感じています。
この業界で働く方、そしてこれからチャレンジされる方達へ
毎日多くの人と向き合い、笑顔や「ありがとう」に触れられる仕事は、そう多くありません。アパレルの現場には、そこで働く者だけが感じられる特別な温かさがあります。
お客様からいただく「この間の接客がよかった!」「あなたのおかげで素敵な時間を過ごせたよ!」といった言葉は、ただの感謝ではなく、心が向けられた一つひとつの贈り物です。困難を乗り越える勇気を与え、働く意味を改めて考えさせてくれる──そんな力があります。
だからこそ、今この業界で働く皆さんには、そんな言葉の価値を見過ごさず、ひとつひとつ大切に受け止めてほしいですね。その一言一言が、あなたのやりがいとなり、仕事の誇りに変わります。現場は決して楽ではありませんが、人とのつながりから得られる喜びや成長は、何ものにも代えがたいものです。
そして、これからこの業界に飛び込む方も、恐れずに一歩を踏み出してほしい。大変さ以上の価値があり、そこで得られる人との触れ合いが、確実にあなたを支え、毎日を豊かにしてくれます。現場での経験は、必ずこれからの人生の大きな力になりますから。
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PROFILE
姜 昌賢
1976年 東京都出身。
大学卒業後、アパレル、飲食業、眼鏡店等で勤務。その後、2008年福助株式会社に転職。
百貨店営業を経て、現在はリテール事業の営業、店舗運営管理GLとして従事。
趣味は『酒』と『読書』。
お客様からいただく「この間の接客がよかった!」「あなたのおかげで素敵な時間を過ごせたよ!」といった言葉は、ただの感謝ではなく、心が向けられた一つひとつの贈り物です。困難を乗り越える勇気を与え、働く意味を改めて考えさせてくれる──そんな力があります。
だからこそ、今この業界で働く皆さんには、そんな言葉の価値を見過ごさず、ひとつひとつ大切に受け止めてほしいですね。その一言一言が、あなたのやりがいとなり、仕事の誇りに変わります。現場は決して楽ではありませんが、人とのつながりから得られる喜びや成長は、何ものにも代えがたいものです。
そして、これからこの業界に飛び込む方も、恐れずに一歩を踏み出してほしい。大変さ以上の価値があり、そこで得られる人との触れ合いが、確実にあなたを支え、毎日を豊かにしてくれます。現場での経験は、必ずこれからの人生の大きな力になりますから。
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PROFILE
姜 昌賢
1976年 東京都出身。
大学卒業後、アパレル、飲食業、眼鏡店等で勤務。その後、2008年福助株式会社に転職。
百貨店営業を経て、現在はリテール事業の営業、店舗運営管理GLとして従事。
趣味は『酒』と『読書』。

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